こんにちは。ダルサナヨガの竹中です。
田植えの時期です。
とはいっても、私はそんなチャンスがないので、町ののどかな田園風景を眺める日々です。
さて、今日は前回のコラムにチラッと書いた「菜食」について、お話しします。
というのも、今回この世界的状況の中、「私たち人間と自然界との関わり方を見直そう!」という風潮が高まっているように思えたからです。
前ブルゾンちえみさんが2年前から肉を食べていないことを明かしたり、水川あさみさんやハリセンボンの春菜さんがヴィーガン(菜食)料理を紹介したりなど、
ヴィーガン後進国といわれる日本でさえ、著名な芸能人たちがSNSで声を上げ始めています。
昨年は「ヴィーガン元年」とも呼ばれたようで、欧米ではヴィーガンにシフトする人が一気に増えたとか。
日本では、地方のスーパーでも代替肉商品が比較的簡単に見つかるようになってきましたね。
それはさておき、私は昨年2019年の夏から食事をヴィーガンにシフトしました。ヴィーガンは動物由来のものを避ける生活です。
私がヴィーガンにシフトした理由ですが、健康とか栄養とか美容というよりも、私の人生、人間社会だけでなくこの世界全体とこれからどのように関わって生きていこうか…というのが当時の私にとって大きなテーマでした。
社会に貢献できる人間になりたいという思いで日々の仕事に取り組み、最善は尽くしているつもりでしたが、やはり、動物を食べている限りずっと罪悪感があって、でもやめられず、それを正当化する理由を探す日々を送っていました。
しかし昨年、私はたくさんのチャンスに恵まれたにも関わらず、助けてくれた方々に何もお返しができない状態で、そんな自分がもどかしくて、「何かできることはないだろうか…」と考えた末、「あ、ヴィーガン」と思いついたのです。まだ私がやってないこと、地球環境やほかの生き物への負荷を減らすことができる!ということに気が付きました。
個人にお礼することももちろん大切ですが、それを取り巻くこの世界全体に感謝を示す、という方法もありかもしれない、と決断に至りました。
私は、自分のすることに人を巻き込むつもりはありませんが、ヴィーガンはあまりにもいいことばかりなので、本当はみんなにおすすめしたくて仕方ありません。
健康面などの変化や、動物性食品がどのように環境に影響を与えているかは、YouTuberのダンテさんが、アメリカ人なのにとてもお上手な日本語ですっごくわかりやすく教えてくださるので興味がおありでしたらぜひご覧になってください。→ダンテさんのYouTube
私がヴィーガンになって気づいたことは、「内面的な自由度が格段に上がる」ということです。もしかするとミニマリストに近いものがあるかもしれません。
私たちって、いろんなものがあるといろんなことをしなくちゃいけなくて、例えば、お肉を食べたら野菜も食べとかなきゃとか、生クリームたっぷりのケーキを食べたら運動しなきゃとか、特別仲良くないのに呼ばれちゃったから結婚式に行かなくちゃいけないとか、疲れてるのに会う約束しちゃったからゆっくりできなかったとか、外出ばかりしてどんどん余計なお金が出ていくとか、新しいものを買うたびにまだ使えるものを捨ててごみを増やしているとか…そこに使っているエネルギーって、改めて考えると膨大で、私たちが疲弊する大きな原因になっているのではないかと思うのです。
もちろん、性格や体質的にそれで元気が出るパワフルな人もいるとは思うのですが、でも私を含む割と多くの人が、実はそういう生活にもう疲れてるんじゃないかな…という気がするのです。
逆に、「ない」ということは、「あれもこれもしなくていい」という余裕が生まれます。
普段の食事は一汁一菜でも十分だし、スーパーに行っても肉や魚売り場はスルーできるので時間の節約になります。
お金もそんなになければ、ないなりに過ごせばよくて、かえってより必要なことに使うようになって生活も整理されます。
人付き合いも同じで、不適切な人間関係を見直すと、自分の周りにいつもいる人たちをより大切にする余裕ができるようになります。
この気づきは、私にとってはものすごくハッとすることでした。
今までずっと、選択肢はたくさんあった方が自由な気がしていましたが、実はない方がずっとずっと自由だな、というのが正直な感想です。
自由、って何かな…?と考えたとき、「制限の多い中でも心が縛られていないこと」かもしれない、と思いました。
私たちの外側で起こることは、自分でコントロールすることはできません。
でもその中で、最善を尽くして適切に行動したり、今のように活動が制限されているのであれば、思い切って内側に籠って自分のことをじっくり考えたりするのもいいかもしれません。
ベジタリアンであることの大切さを教えてくださったある先生の言葉が、私の心に強く焼き付いています。
「ベジタリアンについてベジタリアンとばかり話をしていても仕方ない。」
どうやってこの大切さを、押し付けることなく伝えられるかと、いつも考えています。
いくら肉や魚を食べたくても、災害や気候変動で住む場所がなくなったり、今回のように楽しく外食できない状況になってしまっては意味がないとは思いませんか?
でも、それが普段の自分と生活と深く関係しているとは、なかなか気が付きにくいのです。私も40年近く生きてきて、やっと最近気が付きました。
自分が住む場所への思いやり、感謝の念を示すためのヴィーガンが一人でも増えますように…。と、この自粛生活の中で私は強く願っています。
こういった選択は、人に強制されることではなく、自らで選び取るべきことだと考えています。
皆さんにとって何か少しでも今後の生き方の参考になったらいいなと思い書きました。
それでは、今週も穏やかにお過ごしいただけますよう、祈りを込めて。
写真は、10年以上前に植えたヘレボルス'ステルニー'。原種系クリスマスローズです。近年やっと咲くようになりました。
植物の成長は、早いのか遅いのか…。それぞれのペースやタイミングがあるのだなぁ…。と植物から教わることはとても多いです。